今私たちがすべきことはなにか? 暴力? OK。ここは職員室ぢゃないので,力に対抗するために力を振るうことを止めるつもりはない。なにかを変えるためには,血をみることも必要だ。いざ,大空に浮遊する,力持て。
エイベックス社は,コピー防止CDを4月に6タイトル,5月に20タイトル程度,9月末にはすべてのタイトルに広げる。
走って走って走り続ける。浅瀬の川を水はね上げて,灼たる太陽に汗かき捨てて,天に昇るかのよな丘を踏み越えて,走り続ける。右足と左足の区別もつかぬほど,すでに足は無意識のように動き続け,身体はそれに付いていっているだけだった。どこが目的地なのかわからない,ただ自分の荒らぐ息だけを聞きながら,走って走って走り続ける。
世の中なるようにしかならないと諭す父親,長いものには巻かれた方が楽だと云う母親,私は彼らを殺して,ひたすら走り続ける。「私にできることがあるはずだ」。自分が息をしていることもわからなくなり,足元は無数に傷付き,昼か夜かもわからないほど走っていたそのとき,私は感じた。両肩の皮膚がうずき,えも知らぬものが皮膚を突き破って出てきた。それは大きく広がり,羽根を散らす翼となって,羽ばたき始める。翼,翼,翼。駆けていた両足は浮かび上がり,もがくままに,空に,空に,空へと。
|